黒霧島と赤霧島の違いを編集部が比較|原料芋・味わい・向く人まで

結論:黒霧島と赤霧島、一番の違いは「原料の芋」

黒霧島と赤霧島は、いずれも霧島酒造(宮崎県都城市)を代表する芋焼酎で、度数はどちらも25度、価格帯も1本1,000円台〜2,000円台と近く、パッケージも「霧島」の名を冠した兄弟銘柄です。ただし中身の方向性は大きく異なります。結論から言うと、黒霧島は定番の芋「黄金千貫」を使ったコクとキレのバランス型、赤霧島は希少な紫芋「紫優(ムラサキマサリ)」を使ったフルーティで華やかな香りが持ち味の一本です。同じ蔵元のシリーズでも、原料の芋が違えば味の方向性はここまで変わる、という好例といえます。

原料芋の違い:黄金千貫と紫優(ムラサキマサリ)

黒霧島の原料は「黄金千貫(こがねせんがん)」です。農研機構の前身にあたる九州農業試験場で1966年に育成された品種で、「かんしょ農林31号」として品種登録されました。白い外皮と白い中身が特徴で、でん粉価が他の品種より20〜30%ほど高いとされ、アルコールを生成しやすいことから、全国の芋焼酎原料の大半を占める最も一般的な品種になっています。

一方の赤霧島の原料は「紫優(ムラサキマサリ)」です。農研機構の品種登録情報によれば2004年11月8日に登録された紫色の芋で、アントシアニン色素を豊富に含みます。霧島酒造のブランドサイトによると、紫優はもともと色素用に開発された前身品種「アヤムラサキ」を焼酎原料として試したところ、えぐみや金属のような香りが出て不向きだったため、焼酎向けに繰り返し改良して生まれた品種だと紹介されています。もろみが赤く色づくことが「赤霧島」という商品名の由来にもなっています。

なお麹の色(白麹・黒麹・黄麹の別)は、黒霧島は商品ページに「黒麹仕込み」と明記されているのに加え、霧島酒造公式のよくあるご質問でも「主に白麹を使用したものが『白霧島』、『赤霧島』、黒麹を使用したものが『黒霧島』、『茜霧島』です」と明記されています。つまり赤霧島は白麹仕込みで、黒霧島(黒麹)とは麹の種類も異なります。焼き芋のような香ばしさは黒麹由来、赤霧島の華やかな香りは白麹と紫優という原料芋の組み合わせによるものと整理できます。

味わいの方向性の違い(編集部採点の比較表)

編集部が公式ノートとレビュー傾向から14軸で採点したスコアを、主要な項目だけ抜き出して比較しました(0〜5の相対評価)。

項目黒霧島赤霧島
原料芋黄金千貫紫優(ムラサキマサリ)
度数25度25度
甘み44
香ばしさ41
華やかさ25
キレ42
入手しやすさ5(紙パックまで幅広く流通)4(黒霧島ほど大容量パックは多くない)
参考価格帯1,000〜2,000円1,300〜2,700円

同じ「甘み」の評価は横並びですが、黒麹由来の香ばしさ・キレを取るか、紫芋由来の華やかさを取るかで印象は大きく変わります。黒霧島は焼き芋のような香ばしさとキリッとした後切れが持ち味で、赤霧島はワインを思わせるような華やかな香りとすっきりとした甘みが持ち味、というのが編集部の採点結果です。

どんな人に向いているか

芋焼酎に初めて挑戦する場合は、香りの主張が穏やかな黒霧島から入るという選び方も、逆に香りの良さで芋焼酎への苦手意識を減らしたい場合は赤霧島から試すという選び方も、どちらも理にかなっています。

飲み方の違い

黒霧島はお湯割り(焼酎6:お湯4が目安)が定番の飲み方で、湯気とともに黒麹由来の香ばしい香りが立ち上がります。ソーダ割りにすると甘みが軽くなり、揚げ物や餃子など味の濃い食事とも合わせやすくなります。一方の赤霧島は、紫優由来の華やかな香りを楽しみたい場合はロックが向いており、すっきりとした甘みを生かしたい場合は水割りやソーダ割りが向いています。どちらも常温でそのまま飲むより、氷・水・お湯のいずれかを合わせることで芋の個性がより引き立つ点は共通しています。

まとめ:もっと詳しく比べたいなら比較ページへ

黒霧島と赤霧島は、同じ霧島酒造の定番シリーズながら、原料芋(黄金千貫と紫優)の違いによって、コクとキレを取るか、華やかな香りを取るかがはっきり分かれる2本です。どちらも全国のスーパーや量販店で入手しやすく、価格も手頃なので、迷ったら小容量サイズを2本並べて飲み比べてみるのも失敗の少ない方法です。なお霧島シリーズには、白麹でまろやかな「白霧島」や、オレンジ芋「玉茜」を使い桃のような香りが特徴の「茜霧島」もラインナップされています。14軸のスコアを重ねてもっと細かく違いを見たい場合は、比較ページもあわせてご覧ください。

Q. 黒霧島と赤霧島、どちらが甘いですか? A. 編集部採点では甘みの評価はどちらも4で大きな差はありません。ただし黒霧島は香ばしさとキレを伴う甘み、赤霧島はフルーティな香りを伴う甘みという違いがあります。

Q. プレゼントに向いているのはどちらですか? A. 全国どこでも手に入りやすい黒霧島に対し、赤霧島は紫優という希少な原料のストーリーがあり贈答用としても選ばれやすい銘柄です。特別感を出したい場合は赤霧島、気軽な手土産なら黒霧島が選ばれる傾向にあります。贈る相手や予算からじっくり選びたい方は芋焼酎ギフト完全ガイドも参考になります。

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